チャレンジ

大三川彰彦上席執行役員日本代表

　当社は2007年、日本国内に対してウイルスの解析とサポートを行うリージョナルトレンドラボを創設した。J─SOXへの準備もあったのか、セキュリティ対策ソフトウェア自体の伸びに目立った動きはなかったが、企業ごとにサポートを展開する「プレミアムサポート」の契約数の伸びが顕著だった。製品そのものの機能だけですべてを守ることは難しくなり、製品とは異なるアプローチで、顧客のそばに常にわれわれ専門家が寄り添うような、オンサイトや電話を通したサポートが非常に重要になると実感している。

　08年は当社のノウハウを「サービス」として打ち出す“チャレンジ”の年になるだろう。複数の不正なプログラムを連続的にダウンロードする「連続攻撃型」のように脅威も巧妙化、複雑化するなかで、いかに未知の脅威を事前に見つけだし、パートナーや顧客とともに事前準備をしていくかが今後の課題だ。モニタリングやレポーティングなどを通して、原因を顕在化させ、教育と運用につなげるPDCA的なサポート体制を取っていきたい。

　また、すでに米国ではメールホスティングなどをSaaSとして提供しているが、一つのプラットフォームを機軸に、求める規模に応じて機能別のモジュールが選択できるようなSaaS対応も着実に進めている。

　当社は20年間培ったノウハウと技術力で世界に認められている。だが技術力だけでなく、有事の対応力により信頼を勝ち得てきたと思っている。

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