年頭所感
【2008年 年頭所感】 内田洋行
2008/01/07 20:37
週刊BCN 2008年01月07日vol.1217掲載
イノベーションの継続
向井眞一社長
ITを活用せずして競争力を保てる企業はない。“総IT化”の現象が進んでいる。当社はオフィス家具とITシステム、文教の3つの事業を柱としているが、オフィスや文教分野においてもITを活用したユビキタス化が顕著だ。「おもしろくなってきたと」感じる半面、イノベーションを継続させ、既存の古い仕組みを壊していく年が2008年だと思う。
これまで主力事業それぞれに最適化した仕組みが強すぎた。残念ながら昨年度(07年7月期)は減収減益。硬直的な組織では総IT化、ユビキタス化に対応できない。戦後60年余り続いてきた仕組みが、いい意味で通用しなくなっている。ガチガチに組み上げてきた仕組みをほどいて、編み直すことは体力を使うが、生産体制や販売チャネル、約40社のグループ会社の再編も視野に入れて変えていく。
内田洋行の強みとは何なのか。世界でオンリーワンになれる分野はどこなのか。研究開発や設備投資を年間30億円ほど投じ、100人近い研究開発人員を動員。次の成長を支えるイノベーションを起こす考えだ。エンタープライズ向けの検索エンジンなど新しいビジネスを生みだし、急成長するグループ会社が出てくるなど実ビジネスに結びつき始めた。
2010年に創業100周年を迎える。関東大震災や太平洋戦争を乗り越えてきた企業は、そう多くは存在しない。時代の動きを敏感に感じ取り、技術力をもって伸びていく企業文化が、当社の強みであることは間違いない。
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