IT Stock Frontline
2007年のIPOは最低水準
2007/12/10 16:04
週刊BCN 2007年12月10日vol.1215掲載
新興市場のIT系は活況に
12月のIPO(株式新規公開)企業は9社で確定した。これで今年の新規公開企業数は120社。昨年の188社を大きく下回り、2000年以降で最低だった03年の121社とほぼ同水準となる。一部企業の不祥事や業績の計画未達などで新興企業に対する投資家の不信感が広がるなかで、証券取引所や引受証券が上場に際しての審査を厳しくしているほか、8月以降の株価下落もマイナスに作用した。そうしたなか、ネット関連、IT関連の新規公開企業には人気を集めるものが目立った。
新市場「NEO」の第1号銘柄であるユビキタスが好スタート、それに続きウェブマネーが12月6日に上場した。同社はフェイスの子会社で、インターネット専用電子マネー「WebMoney」の発行・販売、電子決済サービスを手がける。ユーザーはコンビニなどでWebMoneyを購入、ネット上で支払い手続きを行う際に、WebMoneyに記載されている英数字を入力すれば支払い完了となる。販売店舗数はコンビニなど全国4万2000店、加盟契約社数はオンラインゲーム運営会社など1400社。
12月11日にはスタートトゥデイが東証マザーズに上場。ショッピングサイトや情報サービスを提供するインターネットサイト「ZOZORESORT(ゾゾリゾート)」を運営している。アパレル商材の扱いが多いほか、サイト内ではSNSなども行っている。08年3月期は売上高が30%強の増加、経常利益は60%強伸びるなど業績は好調。
この2社に先立つ11月末に大証ヘラクレスに上場して人気を集めたのがシナジーマーケティング。公募価格17万5000円に対して初値は46万円となった。顧客情報管理(CRM)関連製品の企画やソフト開発を行う。顧客管理ソフトは、データを基に自社商品に関心を持つ顧客を特定できるのが特徴で、価格を低く設定して中小企業もターゲットにしている。(有賀勝久)
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