IT Stock Frontline

ハイテク企業の決算、おおむね好調

2007/11/19 16:04

週刊BCN 2007年11月19日vol.1212掲載

米国市場の動きが懸念材料に

 2007年9月中間決算の発表時期。ハイテク分野では業績好調を示す企業が多い。東芝の08年3月期の営業利益見込みは2900億円で前期比12%増と従来予想を上回る見通し。音楽プレーヤーの記憶媒体として需要が拡大しているフラッシュメモリに積極的な投資を行ってきた効果が出ている。富士通は9月中間期の営業利益が440億円で従来予想の240億円を上回ったと発表した。サービスビジネスやパソコン・携帯電話の伸長が理由としている。

 ソニーの9月中間期の営業利益は1898億円と、前年同期(62億円)に比べて激増。ゲーム部門は営業赤字が続くものの、デジタルカメラの拡大が収益をけん引した。

 ただ、気になるのは、米国の景気動向だ。サブプライムローン問題の影響で個人消費に陰りが出ており、大型液晶テレビの米国での価格低下のテンポは想定よりも早まっている。韓国サムスン電子が攻勢をかけてきているのもマイナス材料だ。シャープが発表した9月中間決算は営業利益が12%減だった。太陽電池事業の採算悪化が主因だが、米国での大型液晶テレビの販売が苦戦しているのも響いている。通期の液晶テレビの販売は900万台という目標を変えていないものの、達成への不透明感は強く、株価は軟調な展開になっている。

 一方、米国ではグーグルが驚異的な決算を発表。7-9月期はネット広告が拡大して売上高が57%増、純利益は46%増の10億7000万 ドル(約1200億円)と過去最高を記録。株価は10月末に700 ドルに乗せた。昨年11月に500 ドル、今年10月初めに600 ドルに乗せており、株価上昇ピッチに弾みがついている。アップルは「iPod」の販売台数が1020万台と17%増加したほか、パソコンの販売台数が34%も伸び、7-9月期の純利益は9億400万 ドル(約1000億円)に達した。(有賀勝久)
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