IT Stock Frontline

「アクトビラ」関連が人気

2007/11/12 16:04

週刊BCN 2007年11月12日vol.1211掲載

テレビ向け新サービスに期待集まる

 ネット関連株が人気を集めるなかで楽天の株価も7月の3万円台から6万円台まで上昇。その手掛かりになっているのがテレビ向けのネット配信サービス「アクトビラ」への参入だ。楽天市場を「アクトビラ」のコンテンツとしてオープンさせるということの将来性が好感された。

 「アクトビラ」はデジタルテレビを通してネット環境に接続可能なサービスで、テレビの存続に危機感を持つ大手電機5社(日立製作所、東芝、松下電器産業、シャープ、ソニー)などが共同出資して今年2月に始動。9月からは動画配信もスタートした。2011年には国内流通の約7割、700万台(現在400万台)が「アクトビラ」のサービスに接続可能な状況になるようハード面からサポートする方針だ。

 楽天の場合、パソコン利用者に限定されていた利用者層にテレビ視聴者全体がターゲットになる可能性が期待材料になった。このほか、コンテンツを提供している企業には、メディア工房、ぐるなび、夢の街創造委員会、ジョルダン、サミーネットワークス、プロトコーポなどがあり、いずれも株価は上昇している。また、ヤフーは独自路線で同様のテレビ向けサービスを展開すると伝えられている。

 一方、ネット関連では「海外投資家はこの2社への興味を特に強くもっている」といわれるのがDeNAとミクシィだ。DeNAが10月末に発表した9月中間決算は売上高が2.2倍、経常利益が2.6倍という驚異的な成長が続いている。モバイルネットコンテンツ「モバゲー」は今夏、1日当たり4億超のページビューを記録。9月末の会員数は743万人と6月末から140万人増加している。媒体価値向上が広告収入の増加につながっており、08年3月期の計画である経常利益90億円(前期比94%増)は、上方修正が必至になっている。(有賀勝久)
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