IT Stock Frontline

ネット関連の人気拡大

2007/11/05 16:04

週刊BCN 2007年11月05日vol.1210掲載

ミクシィの上方修正がきっかけ

 回復に転じた新興市場の上昇に弾みがついてきた。きっかけはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)最大手であるミクシィの業績上方修正。9月末のサイト会員数は1200万人と1年間で約2倍になったことから広告収入が増大、2007年9月中間期の経常利益は18億円(前年同期比2.1倍)と従来予想の13億円を大きく上回った。不信感のあったネット企業の業績に安心感が戻る格好になり、軒並み株価は急伸している。

 相場がボトム圏にあった9月18日と10月中旬の株価を比較してみると、ミクシィは75万円から149万円、DeNAは45万円から79万円、オプトは29万円から43万円、ACCESSは23万円から54万円といったように、大きく上昇した。

 こうしたネット関連中心に回復色を強めてきた新興市場には、証券各社からも強気の見方が出始めた。メリルリンチ日本証券では、「9月中間決算でネガティブなイベントが多発しなければ、実力以上に、売り込まれた割安かつ成長株を中心に年末にかけリバウンド相場が続く可能性がある」との見方を示している。

 一方、総務省の試算によると、最悪の場合、2010年6月までにインターネットの根幹を成す現行の通信規格「IPv4」の国際在庫が世界的に枯渇するという。新興国のネット人口の爆発的な伸びでアドレスの残存量が減少しているのが背景。新規のネット利用が困難になり、ネット環境に大きな弊害が出るというもの。米国などではIPアドレスがほぼ無限に割り当てられる次世代規格「IPv6」への移行準備を進めている。日本政府もこれを促進したい構えで、今回の試算は関係業界へのメッセージとも言える。「IPv6」の普及を進めているのは、NTT東西をはじめネクストジェンなどNGN(次世代)開発の各社などだ。(有賀勝久)
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