IT Stock Frontline
新興株市場が復活高
2007/10/15 16:04
週刊BCN 2007年10月15日vol.1207掲載
IT系の株価が急騰
低迷が続いていた新興株市場に明るさが出てきた。9月末以降、ミクシィ、楽天、ACCESSといったIT系の時価総額上位銘柄が急騰しているほか、代表的な新興株市場であるジャスダック市場の1日当たりの売買代金は8月までの2倍に膨らんでいる。期待材料の一つは公的機関の株式運用を巡る動き。要注目は年金積立金管理運用行政法人(GRIF)という公的年金を運用する法人だ。
同法人は、これまでは大型株を対象にしたインデックス運用のみだったが、「今秋から年内をめどに小型株への投資に踏み切る計画」という。また、郵政民営化に伴い簡易保険は株式での運用方針を変更し、東証1部以外の株式運用が可能になった。こうしたことが新興株市場への資金流入期待につながっている。
上場企業の平均PER(株価収益率)は東証1部の17倍台に対してジャスダック市場は16倍を割り込み、収益に対する株価の割安感は際立っていた。米国を震源とした7月以降の世界的株安が収まるなかで、新興株市場にも見直しの動きが広がってきたようだ。
時価総額上位銘柄に加え、ネット関連株にも人気が集まっている。業績がV字型回復見込みとなっているネット広告大手のオプトが10か月ぶりの高値圏に上昇しているほか、フルスピード、アウンコンサルティング、アイレップなどの検索連動型ネット広告業者が急騰している。
例えば、フルスピードは9月25日の67万円台から10月4日には120万円台と2倍近く上昇した。
新興株は個人投資家の関与比率が高く、株価上昇は東京市場全体のマインド回復につながりそうだ。ただ、上場直後に業績を下方修正する企業が相変わらず見受けられるなど、投資家からの信頼が完全に回復するにはまだ時間がかかるだろう。(有賀勝久)
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