次世代Key Projectの曙光
<次世代Key Projectの曙光>26.リアライズ(下)
2007/10/08 20:40
週刊BCN 2007年10月08日vol.1206掲載
システム移行で大きな需要
リアライズ(大西浩史社長)は電子カタログ情報提供サービス「TOP PAGE」や、各種データマネジメントサービスを展開している。データ入力のわずらわしさ解消を目指して立ち上げたコーポレートベンチャーは、電子カタログ事業に魅力を感じた株主などが出資し、2001年設立にいたった。リアライズは、標準電子カタログサービス「TOP PAGE」、マスタデータ運用アウトソーシング・サービス、マスタデータ移行支援サービス、コンサルティング・サービス、また、データクレンジング・サービス、紙データのデータ校正、チェックアウトソーシングサービスなども提供している。大西社長は、「標準的な電子カタログがあって、商品マスタをきれいにして、クレンジングし、マスタとマッチングしてコンサルティングするという、一貫した考えのものにサービス提供を行っている」と説明する。
顧客の7割は年初にサービスを継続するため、比較的安定した売り上げを維持する。設立から、人材とコンテンツを拡充してきたことから、ここ1-2年で波に乗ってきたという。特に「SI市場ではシステムリプレースの際の移行支援に全体の3分の1ほど需要があるのではないか」と見込んでいる。
一般に、データは打ち込む担当者が入力段階で、きちんと登録しないことが多く、システム自体が複雑になってきていることもあり、データ移行に時間がかかってリリースが遅れる場合もある。マスタデータ移行支援では、「人」が目で情報をチェックしながら名称、属性、項目などのデータを登録。正規化や項目間の整合性をみて整備する。整備したデータからはこれまでみえなかった業務上の問題点もあきらかになり、業務改善にもつなげていける。
売り込みをかけた当初は、「データを整備して、何がメリットになるのか」と、断った企業も、現在は整備していない大量のデータという課題が生じて、「次からお願いしたい」と頼むところも増えたという。最近ではコンプライアンスやJ-SOX法などの影響も多少売り上げにつながっているのではないかと大西社長はみている。
データマネジメントは、紙、電子とあらゆるところに発生する。データはシステムの中に流れる「血液」に相当する。顧客の痒いところに手が届くよう、「デリバリ、営業体制を拡充し、データマネジメントを安定運用させたい」と構想を語る。(鍋島蓉子●取材/文)
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