次世代Key Projectの曙光

<次世代Key Projectの曙光>16.NEC(下)

2007/07/23 20:40

週刊BCN 2007年07月23日vol.1196掲載

米国で現地スタッフと開発

 NECはブログ、ウィキ、RSSソフトのスイート製品「Suite Two(スイートツー)」を開発した米スパイクソースと、同製品のマーケティングを展開している米インテルと提携。スイートツーの日本語版を7月に投入し、中堅・中小や大企業の部門向けにASPやパッケージで提供する。
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 プロジェクトチームはビジネスを手がけるチームと、開発チームの2手に分かれている。スイートツーのうち、Movable Type(ムーバブル・タイプ)などはすでに日本語化されているが、ウィキソフト「Socialtext(ソーシャルテキスト)」などはまだ日本語化されていない。そこで、開発チームのうち6人が渡米し、現地の開発者とともに日本語化にあたっている。

 米国では在宅ワーカーが多く、パソコンを2台使いながら、1台でスカイプを介したコミュニケーション、もう1台で開発を行っている。渡米した開発スタッフは彼らのワークスタイルに合わせながら、開発にあたる。「そのほうが時差がなく、ソース変更や問題点に対してのレスポンスが早い」(塩川正二・市場開発推進本部本部長)。プロジェクトは自分たちが開発したOSSのウィキを使用しており、進捗具合をネット上に公開している。

 スイートツーはウェブ2.0関連の製品をまとめたうえで、さらに横断検索、シングルサインオン、統合ユーザー管理など、製品を連携し横串で動く機能を付加している。現在はスイートツーをそのまま日本語化しているが、今後は、携帯からのアクセス、コンテンツ管理ソフトとの連携、また、口コミ情報を抽出、分析する「評判情報分析システム」など既存の技術を連携させようとも考えている。

 同製品はASPサービスで提供するが、企業では部門間を越えてプロジェクトを組んで仕事をすることも多いため、導入を簡単にしてすぐに使えるASPサービスにした。ASPでは従来のように営業が現物を持って売り込むのは困難なため、自社ウェブでの販売を考えている。ウェブサイトやチャネルイー・マーケティングを駆使、「単に販売するだけではなく、商談の突破口としていく。場合によってはバックエンドのシステムの受注も獲得する」(塩川本部長)ことも視野に入れている。(鍋島蓉子●取材/文)
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