SI新次元 経常利益率10%への道
<SI新次元 経常利益率10%への道>[最終回]48.システムエグゼ(下)
2007/05/14 20:37
週刊BCN 2007年05月14日vol.1186掲載
パッケージ開発を進める
収益の柱を増やす
システムエグゼは、独自のパッケージソフトの開発に力を入れる。これまでエンドユーザーの要望に沿ったソフトを個別に開発することをビジネスの柱としてきたが、受注した案件の規模によって売り上げが大きく振れる課題があった。独自のパッケージソフト製品をベースとしたビジネスを伸ばすことで収益の柱を増やし、経営基盤を強化する。成長に向けた足場固めを行うことで2010年をめどに株式公開を目指す。同社は昨年、データベース関連で2種類の独自パッケージソフトを製品化し、販売を担う子会社エグゼソリューションズを今年4月3日付で設立した。システムエグゼ本体は従来通り、ユーザー個別の開発案件やパッケージソフトの開発を柱とし、エグゼソリューションズは本体が開発したパッケージをテコに新規顧客を開拓する役割を担う。他社製品を取り混ぜた複合的なシステム提案も行う。
システムエグゼは98年の創業以来、できる限り元請けでの受注に努めてきた。元請けになれば自社の裁量範囲が広がり、ノウハウの蓄積や人材育成を通じた得意分野の創出がしやすくなるからだ。こうした取り組みを通じて、データベース管理技術や保険、生産管理、医療など業種ノウハウを身につけた。
昨年度(06年12月期)売上高の構成比は、データベース関連が約4割、保険、生産管理、医療の業種関連が各約2割ずつを占める。
売上構成比が最も大きいデータベース関連では、データベース監査ソフトと携帯電話から社内データベースにアクセスするツールの2種類を製品化。前者はデータベースの操作履歴などのログを効率よく管理するもので、個人情報保護や内部統制の強化といった法制度への対応を支援するものだ。後者は携帯電話をビジネスで活用するツールとして売り込む。
いずれも同社が培ってきたデータベース管理技術とセキュリティ技術を組み合わせたもので、今年度もこうした技術を活用した新しいデータベース関連パッケージソフトの製品化を予定している。「データベースを効率よく活用したり、セキュリティを高めるツールの需要は大きい」(佐藤勝康社長)とし、新製品の開発を積極的に進める。
また、保険や生産管理、医療の得意業種に対応したパッケージ製品やASPやSaaSなどオンデマンドサービスの開発も検討している。独自のパッケージソフト製品の売上高に占める比率はまだ数%に過ぎないが、将来的にはグループ全体の売り上げの半分を占める規模に拡大していく方針である。(安藤章司●取材/文)
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