次世代Key Projectの曙光

<次世代 Key Projectの曙光>3.日本システムウエア(上)

2007/04/16 20:40

週刊BCN 2007年04月16日vol.1183掲載

ASP型のVPNサービス提供

 日本システムウエア(NSW、多田修人社長)は従来、受託をメインでやってきたが、社長の方針により、ウェブを使ったストックビジネスにも取り組み始めている。

 ソリューション事業本部・ビジネスソリューション事業部主任の竹村大助氏、同事業本部営業統括部第二営業部の金子知代氏ら6人は、「NSW-Biz」シリーズを事業化した。

 NSW-Bizシリーズはインターネット接続サービス「NSW-BizISP」とASP型のインターネットVPN(仮想私設通信網)サービス「NSW-BizVPN」の2つのサービスで構成される。

 NSW-BizISPは、不要なサービスをつけないことで、ほかのISPに比べ、コストを2割ほど削減した。リテール事業など、拠点を多く持つ顧客ほど反応がよいという。

 もうひとつのNSW-BizVPNは、店舗など複数の拠点を持つ企業向けに提供されるサービスだ。専用ソフトウェアをインストール、もしくは設定がいらない専用ボックスをネットワーク上に接続するだけで、専用回線を引かずに端末同士の双方向通信が可能になる。ASPだから、安価に運用でき、保守の手間もかからない。

 「小売業者などはISPが提供する足回り回線からインターネットを利用しているところが多く、コストを下げたいという要望がある」と金子氏は状況を語る。VPNとISP、2つのサービスを取り扱うことにより、VPN導入にかかる手続きを一元化できる。「安価なサービスであることから、顧客にも提案しやすい」ため、ゆくゆくはサービスを深堀りし、自社のシステム開発へつなげたい狙いがある。

 NSW-BizVPNの発案は「案件ありきだった」と竹村氏は話す。何百にもわたる顧客の拠点をVPNで結ぶ案件があり、VPNを組むにあたって出された複数のビジネスモデルのうちのひとつで、竹村氏とパートナーとの間で考えられたものだ。「なぜそれを事業化しようと考えたかははっきり覚えていないが、いつの間にかやろうということになっていた」と同氏は振り返る。

 竹村氏は、何度か一緒に仕事をしたことがあって仲のよい営業マンに話を持ち掛けた。「自分たちがどんなにいいと思っても、営業がOKと言わなければ動けない」からだ。

 この企画に対して、営業もいい反応を示したため、職場の席が近く、公私ともに仲のよい有志6人でサービス化に向けて取り組み始めた。(鍋島蓉子●取材/文)
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