SI新次元 経常利益率10%への道
<SI新次元 経常利益率10%への道>40.エクサ(上)
2007/03/12 20:37
週刊BCN 2007年03月12日vol.1178掲載
独自商材の開発に注力
JFE基幹システム開発で実績
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同社は日本鋼管(NKK、現JFEスチール)と日本IBMの合弁会社で、JFEスチールの基幹システムを開発した実績を持つことで有名だ。
JFEスチールのプロジェクトは旧日本鋼管と旧川崎製鉄が2002年に経営統合した翌年からスタート。兄弟会社のJFEシステムズと共同でゼロから組み上げた。05年度までにJFEスチールが投じた総投資額は約300億円、プログラムは2000万ステップに及ぶ巨大なプロジェクトだ。製鉄会社の基幹システムとしては世界で初めて全面的にオープンなアーキテクチャを採用。投資効果は年間100億円を見込んでいる。
ここで注目すべきは大手ベンダーに依存せず自力で開発したことだ。一部IBMのハードウェアやソフトウェアは使ったが、エクサとJFEシステムズの両社が主体となってプロジェクトを遂行した。蓄積したノウハウは「他社にはない強み」(大水社長)とビジネス拡大の原動力にしていく考えを示す。
昨年度(06年12月期)は不採算案件の発生で利益が大幅に落ち込んだものの、今年度は独自商材の拡販に力を入れることで業績回復を狙う。
大水社長は日本IBMの執行役員を06年3月まで務め、その後エクサにきた。この1年あまりは社内で蓄積されたナレッジを整理し横展開できるものを総ざらえして、一般顧客向けに横展開するためのメニューづくりに力を注いできた。
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JFEスチールの巨大で複雑な基幹システムを構築するなかで得た膨大なナレッジを蓄積する同社だが、課題もある。それは、顧客へのアピールが足りないことだ。「おとなしすぎるのではないか」と、ハングリー精神に欠けることを大水社長は自戒する。
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