IT Stock Frontline
ハイテク株が上昇気流に
2007/02/19 16:04
週刊BCN 2007年02月19日vol.1175掲載
任天堂などの業績を好感
ハイテク企業の2006年4-12月期決算発表が本格化、好決算で株価が上昇するケースがみられる。期待通りの好決算となったのが任天堂。携帯型ゲーム機「DS」と新型機「Wii」の好調に加え、円安も追い風になり、営業利益は07年3月期の2倍の1850億円に拡大する見通し。業績好調を背景に株価はこの1年間で約2倍に上昇したが、1月末には90年8月に付けた上場来高値3万4300円を16年半ぶりに更新した。
ソニーも決算を好感。立て直しが注目されるエレクトロニクス部門は、液晶テレビ、デジタルカメラなどが寄与して売上高が前年同期比17%増、営業利益は約2倍の1774億円となった。液晶テレビは単価下落があったが、北米で30%のシェアを獲得するなど好調。ゲーム部門の不振をカバーして07年3月期の全体の純利益は1100億円と従来予想の800億円から上方修正した。
カシオ計算機も元気がいい。06年4-12月期は「EXILIM」のデジカメや電波時計の好調から営業利益は333億円(前年同期比16%増)と拡大。株価は大幅高となった。
デジカメ好調組ではニコンも業績がアップ、重点を置く一眼レフが07年3月期は200万台(前期比50%増)を突破する勢い。円安も追い風になり、営業利益は920億円(前期比38%増)と過去最高になる見通し。
06年3月期に業績が落ち込んだセイコーエプソンは、インクジェットプリンタの採算改善と円安効果から4-12月期の営業利益が463億円(前年同期比2倍)と回復した。
対照的に業績悪化で株価が下落しているのが富士通。デジタル家電の価格下落で半導体など電子部品の採算が悪化しているほか、パソコン販売が停滞したことで、06年4-12月期の営業利益は前年同期比43%減の71億円に落ち込んだ。(有賀勝久)
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