視点
BCN AWARDを読み解こう
2007/02/05 16:41
週刊BCN 2007年02月05日vol.1173掲載
ここまで販売実績データが蓄積されると、93の商品ジャンルそれぞれについて、来年どうなりそうかという「予断」ではなく「予測」ができるに違いないからだ。ひいては、個別企業や業界の動向(短期予測)や展望(中期予測)もできる可能性が高まった。
第1回のときに、次のサイバネテイックスの3原則─「オープンネス」(隠さない公開性)、「オネステイ」(嘘をつかない事実性)、「ラーナビリテイ」(適正な競争をもたらす進取性)─が満たされるデータが蓄積されれば、この企画は、職場や個別企業だけではなく、業界に新風を巻き起こすかもしれないとした。この見通しは、自画自賛ではなく、的中したようである。通時的な歴史感覚と共時的な地理感覚を持ち合わせ、企画と運営にかかわった方々の努力を多としたい。
共時的地理感覚のもう一つの例は、「ITジュニア賞」である。いずれ、ITジュニア賞も継続の力で、その潜在力が発揮されることになりそうだ。
もちろん、「読み解くべきほどの人」が読まなければ、データの山も宝の持ち腐れになるのは明らかだ。1月1日・8日・15日号の3回にわたって掲載された主要62社トップの年頭所感を拝見して、この「歴史感覚」に思いをいたしている企業はさすがだと納得した。もう一つ、「社員育成・啓育」に言及している企業にも感服した。要するに、この業界は先の見通しと社員育成が2本柱であり、この2つを抜きに、企業の中長期的発展は見込めないからだ。
ないものねだりをすると、業界予測に関係するもう2つの情報がある。ひとつは、部品買い替えや修理の保守・保全・サービス情報である。もうひとつは、顧客の満足感にまつわる情報である。この2つは業界の先行きを占う必須の情報だ。これらは、多分同じ並びでは入手しにくいであろう。Web2・0の時節であるから、関連企業と提携するなり契約するなりして、Win─Win 関係が結べる可能性がないものかと想う。
さらに、ITジュニア賞に参加した若い方々や関係者の、その後のキャリアがどうなったかという追跡情報も欲しい。とりわけ、彼女もしくは彼らの活躍の場がさらに広がれば、もっと嬉しい。
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