「進化とパートナーシップ」

須賀井 孝夫社長

　ITの利用が進化している。伝統的な産業からベンチャーに至るまで幅広くITが浸透。業種を問わず勝ち残りのためのIT活用が進んでいる。

　当社の主力商品の1つ「債権管理システム」は地方銀行を中心に50％近いシェアを誇っている。近年は業種の壁を越えて百貨店など流通サービス業への納入が相次ぐ。自社発行のクレジットカード管理などに使うためだ。06年7月、自治体向けの債権管理システムに強いソフト開発ベンダーをグループに迎え入れたことで官需にも対応できるようになった。

　相対的にITのコストは下がっており、従来に比べて少ない投資で大きな効果が得やすくなった。ユーザーにとっては喜ばしいことだが、われわれIT業界にとっては生産性を高める努力が一層求められている。

　旺盛な需要に対して人材の手当てが追いつかない課題も残る。受注するたびに薄氷を踏む思いでSE・プログラマを割り当てているのが実情だ。人材の奪い合いも激しさを増した。持続的な成長のためにはソフト開発ベンダーのM&Aやパートナーシップが欠かせない。今も数社と提携の話を進めているところだ。

　ソフト開発は人材が命。強引に吸収合併してしまうと合併先の人材が流失してしまう恐れがある。相手の企業文化を最大限尊重し、パートナーとしてグループに迎え入れることで流失を防ぐ。グループ体制を強め、最新テクノロジーのエバンジェリストとしての役割を存分に果たしていきたい。