年頭所感

【2007年 年頭所感】 富士ソフト

2007/01/01 20:37

週刊BCN 2007年01月01日vol.1168掲載

「日本から世界へ」

野澤 宏会長兼社長

 東京・秋葉原に総工費約450億円をかけた「富士ソフト秋葉原ビル」(仮称)がもうすぐ完成する。地上31階建ての高層ビルで当社フラッグシップのソリューションやサービスを集結。日本から世界に向けた情報発信基地として活用する。竣工予定は2月15日だ。

 今年度(2007年3月期)、主力のソフトウェア開発はまずまずだが、2本目の柱であるアウトソーシング事業が不調だ。当初計画よりも大幅な減収減益になる見通し。顧客のサーバーを預かるなど従来型アウトソーシングでは付加価値が少なく、値段の叩き合いになったことなどが響いた。

 まずは競争力あるアウトソーシングサービスの立ち上げを急ぐ。映像や画像、音声などマルチメディアを大量に保存でき、また高性能な検索エンジンを使って瞬時に探し出せる「データ倉庫ビジネス」が有望だ。内部統制の強化でデジタル情報を安全に保存したいという顧客の需要も追い風になっている。オンデマンドやソフトウェアのサービス化などデータセンターを活用したサービスにも力を入れる。

 秋葉原ビルではこうした最先端技術の研究活動を行ったり、映像やコンピュータグラフィックス(CG)などこれから伸ばしていく商材・サービスを一堂に揃える。

 14兆円余りある情報サービス産業の市場規模はまだ伸びる。ITベンダーの創意工夫や努力次第では短期的にあと10%伸ばすことも可能だとみる。需要を的確に捉えて生産性を高めることで市場を大いに活性化させたい。
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