IT Stock Frontline

投資マインド冷える日本の株価

2006/12/04 16:04

週刊BCN 2006年12月04日vol.1165掲載

米国では年末商戦への期待膨らむ

 ダウ平均が最高値を更新している米国に対して、日本は日経平均が今年4月の高値を抜けず、もたついた動きになっている。株価の明暗を分けているのは景気。米国は原油価格の下落もあって景気の順調な拡大に期待が高まっているのに対して、日本は上場企業の9月中間決算発表における2007年3月期の見通しが、期待したほどではなかった。マクロ指標にも景気足踏みを懸念させるものがみられ、そうしたなかで再利上げ観測が投資マインドを冷やしているようだ。

 米国では感謝祭の翌日からクリスマスシーズンに入る。その初日はブラックフライデー(小売企業に黒字をもたらす金曜日)といわれ、株式市場でも関心が集まる。すでに米国株式市場では個人消費の盛り上がりを期待してウォルマート、ベストバイなど小売りの株価上昇が目立っている。クリスマス商戦の好調ぶりが伝わるたびに人気は高まりそうだ。

 米国の好調な消費の恩恵を受けるのは、大型テレビ(ソニー、松下電器産業、東芝)、デジタルカメラ(ニコン、キヤノン、カシオ計算機)などだが、最も注目されるのはゲームだろう。

 ソニーの「プレイステーション3」(PS3)は11月11日の国内に続き、16日に米国で販売を開始。ソニー・コンピュータエンタテインメントが米スタンフォード大学と組み、「PS3」をがんやアルツハイマー病の新薬研究に活用すると報道されたことも話題になった。

 また、任天堂の「Wii」は12月2日の発売。前人気の高さから任天堂の株価は本年の高値を更新している。ある外資系証券からは「2010年度に設置台数4350万台、世界シェア27%」という見通しが出されている。「Wii」のコントローラの生産を担当するミツミ電機の株価が急騰したほか、ゲームソフトメーカーに関心が向くなど「Wii」関連人気は広がりをみせている。(有賀勝久)
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