IT Stock Frontline

任天堂「Wii」に関心高まる

2006/10/02 16:04

週刊BCN 2006年10月02日vol.1156掲載

好材料出つくし株式は売り先行に

 任天堂の次世代ゲーム機「Wii(ウィ-)」が12月2日に発売されることが決まった。価格は2万5000円(税込み)。国内で同時発売されるソフトは10社・16タイトルで年内には14社・27タイトルになる予定。北米ではハードにスポーツゲーム「Wii Sports」をセットにして11月19日に249ドルで発売する。任天堂側では世界における出荷台数は年末までに400万台、2007年3月期末までに600万台を予定。ソフトの出荷数量は1700万本になるとみている。大ヒットとなった携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」同様、これまでゲームに関心のなかった層の取り込みを狙っており、ソフト面での戦略がポイントとなる。

 「Wii」の発表を受けた任天堂の株価は、「価格、時期ともに市場のコンセンサスの範囲内」との評価が多く、当面の好材料が出つくした感から売り先行の展開になった。

 任天堂が「Nintendo64」(累計3300万台)、「ゲームキューブ」(2100万台)以上の普及台数を狙うには低価格戦略が必要で「想定していた2万円前後を上回り、価格面での訴求は期待しづらい」(外資系証券のアナリスト)という声もある。もっとも、ほぼ同時期に発売されるソニーの「プレイステーション3」の不透明感もあって、「Wii」が国内でトップシェアを獲得するという見方に変化はないようだ。

 国内では「東京ゲームショウ2006」が開催され、ゲーム関連各社の動きが話題を集めたが、米国でも“ゲーム機戦争”が関心を集めている。米国での「プレステ3」の発売日は「Wii」の発売2日前の11月17日となっている。「プレステ3」の価格は499ドル。昨年11月にマイクロソフトが発売した「Xbox 360」は399ドル。米国の株式市場では、任天堂、ソニーにコンピュータグラフィック用半導体メーカーのエヌビディアの株価が急騰した。(有賀勝久)
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