IT Stock Frontline

世代交代すすむネット業界

2006/09/25 16:04

週刊BCN 2006年09月25日vol.1155掲載

ミクシィ、初値は公募価格の2倍

 インターネット新世代を代表する企業、ミクシィが9月14日に東証マザーズに新規上場、人気を集めた。初値は295万円と公募の155万円を大きく上回った。

 同社はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の最大手で「mixi(ミクシィ)」を運営、会員数は500万人を誇る。社長の笠原健治氏は1975年生まれ。グリー社長の田中良和氏などとともに「ナナロク世代」(1976年前後に生まれたネット起業家)。

 ソフトバンクの孫正義氏を「第1世代」、楽天の三木谷浩史氏を「第2世代」とすると、ネット業界の「第3世代」にあたる新興勢力として注目されている。

 ミクシィの時価総額は2200億円。すでに上場しているネット関連企業の時価総額をみると楽天が6000億円、ACCESSが2900億円、インデックスが1800億円、「ビッダーズ」のディー・エヌ・エーが1500億円、サイバーエージェントが1000億円で、株式市場では「第2世代」に負けない評価を得た。

 ちなみに、上場に際してミクシィが公募増資などで手にした資金は約70億円。このうち13億円はサーバーの増強など設備投資に充当するが、残りの57億円の使い道は今のところ未定。500万人の会員を生かした新たなビジネスなど資金の有効な活用を株式市場は求めることになりそうだ。

 ミクシィ人気の一方で、旧世代の株価下落が目立つ。例えば、ヤフーの株価は4万円割れ寸前と3月末の高値7万5000円から40%強の下落となった。ある外資系証券が「インターネットは爆発的な成長と淘汰の時代を過ぎた」と成長鈍化を指摘するリポートを発表したこともマイナス材料になった。楽天も年初の株価11万円台から4万円台と半値以下に下落。8月末には一部週刊誌で、「東京地検が捜査」という記事が掲載されたことが下げに拍車をかけた。(有賀勝久)
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