IT Stock Frontline

ハイテク企業、好決算相次ぐ

2006/08/14 16:04

週刊BCN 2006年08月14日vol.1150掲載

ソニーのV字回復が株価をけん引

 ハイテク企業に好決算発表が相次ぎ、株価が急騰する動きが目立つ。 その代表がソニー。4-6月期の営業利益は270億円(前期は66億円の赤字)。株式市場の平均的な予想である60億円を上回り、株価は大幅高となった。決算説明会でソニーの大根田伸行CFOが「回復への道のりを着実に歩んでいる」と自信を見せたように、懸案だったエレクトロニクス部門の回復が鮮明。同部門の営業損益は474億円の黒字(前年同期は267億円の赤字)と急回復した。

 下期にかけての注目材料は11月11日に発売される「プレイステーション3(PS3)」。アナリストの予想によると、PS3は任天堂の「Wii(ウィー)」をおさえ、5割程度のシェアを確保できる見通し。次世代DVD再生と大容量のHDD内蔵などの機能からAV機器としての普及を期待する声もある。

 ソニー以外では、好調ぶりを改めて印象づけたのが松下電器産業。プラズマテレビの伸びやデジタル家電向け電子部品の伸びで、4-6月期は営業利益が前年同期比41%増の651億円に拡大した。中間期の営業利益は1900億円と当初予想から100億円上乗せした。

 キヤノンの2006年6月中間期は純利益が2141億円(前年同期比22%増)と好調。デジタルカメラやカラー複写機の販売が拡大したほか、為替相場が当初見込みより円安で推移したこともプラスだった。

 情報サービスセクターも業績好調。野村総合研究所は親会社からのインフラ関連の受注やUFJの証券子会社のシステム統合案件などが寄与して4-6月期は営業利益が31%増益。通期の営業利益予想を当初の370億円から400億円に上方修正した。

 日本オラクルは日本版SOX法などを背景に内部統制対策の好調で、06年5月期の業績は過去最高を更新した。(有賀勝久)
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