視点
動き始めた中国のソフトウェアビジネス
2006/05/01 16:41
週刊BCN 2006年05月01日vol.1136掲載
新聞などで報じられているところでは、胡錦涛国家主席の4月訪米に合わせるように、米中間での大型商談がまとまっているという。実は、ソフト業界にとっても、中国ビジネスの状況が現在、急展開している。中国のソフトウェア著作権などを管轄する国家版権局が、関連部門と共同で、ソフトウェアの「正規版化」運動を推し進めているのである。
詳しい内容は、国家知的財産権保護作業グループ弁公室などが策定した「2006年における中国の知的財産権保護に関する行動計画」に詳しく記されている。(JETROのホームページを参照:http://www.jetro-pkip.org/teji/swbact20060328.htm)
これによると、「企業の知的財産権保護と自主革新大会」が開催され、中国企業聯合会、全国工商聯、外商投資企業協会が、共同で『企業の知的財産権保護の提案』を提出。出席した中国や海外の企業と『企業の正規版ソフトウェア使用に関する提議』に共同で署名したようだ。これを受け、『大企業や事業所のソフトウェア正規版化作業推進方案』を制定し、組織を結成して実施するとされている。
さらに、コンピュータメーカーが正規版ソフトをプリインストールするよう奨励し要求するとともに、政府部門と大規模国有企業がコンピュータを購入する際には正規版ソフトのプリインストール機種を購入するよう要求していくとも明記されている。
こうした状況を受け、ACCS上海でも今年度は、日系企業向けの「ソフトウェア管理・情報管理」紹介セミナーを主催するほか、ソフトウェア管理パンフレットを作成・配布する。具体的事例について上海版権局に情報提供を依頼予定で、ソフトウェア管理の成功事例も掲載したいと考えている。
また、版権局などの政府機関に、日本語版ソフトを正規販売している代理店を推薦し、正規品販売代理店として認定してもらうような活動も考えている。中国でのソフトウェアビジネスはまさに動き出したと感じている。
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