未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業 

<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>69.サイタスマネジメント

2006/03/20 20:43

週刊BCN 2006年03月20日vol.1130掲載

運用監視の独自ノウハウを追求

 2000年設立のサイタスマネジメント(石澤知己代表取締役)は、企業の情報システムの運用監視業務の請け負いをメイン事業とする。ネットワークを通じて顧客の情報システムを管理するために、オープンソースソフトウェア(OSS)を利用した独自のソフトウェアを開発。同社設立前に、石澤代表取締役はじめ創業メンバーが95年頃から運用監視サービスを手がけてきた実績があり、そのノウハウをもとに運用監視サービスを安定的に提供するために必要なシステムを開発したという。

 顧客に提供しているのはあくまで運用監視サービスだが、そのサービスを支える基盤としてソフト開発を重要視。今年度(06年12月期)は、監視システムの自動化など品質を高めるため、大型投資に踏み切る。

 同社のサービスメニューは、運用監視サービスのほか、システム管理者向けに運用管理ノウハウを提供するコンサルティングサービス、情報システムの最適化、リプレースサービスも提供する。これまで、大手企業を中心に28社の顧客を獲得している。設立以来一貫して増収を続け、昨年度は売上高7億1700万円。今年度は10-11億円の売上高確保を狙う。

 直販のほか、ISPやデータセンター運営事業者向けにサービスをOEM提供し、ISPとデータセンターのサービスメニューとして企業に販売するビジネスも推進。3社の事業者が同社のサービスをビジネスに活用している。

 今年度は既存のビジネス領域に加え、新規事業にも挑む。それが、VoIPシステムのASPサービス。運用監視サービスを手がける領域を、情報システムやネットワークだけでなく、IP電話システムまで拡大。IP-PBXの運用から監視までを請け負うサービスを今夏をメドに始める。

 「音声がデータとして情報システム内を流れる時代になった今、情報システムやネットワークだけではなく、音声データを運用するVoIPシステムの運用も手がける必要がある」と石澤代表取締役はその理由を説明する。単なるIP電話サービスの提供ではなく、情報システムの業務アプリケーションと連携させたシステムの提供を重視。この基盤になるソフトウェアを現在開発中だ。

 サービスを支えるソフトウェアの開発に向けて、今年度システム開発のDTS(赤羽根靖隆社長)と資本関係を結び、技術者を20人ほど確保。ソフト開発力強化に努めている。(木村剛士)
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