IT Stock Frontline

半導体、電子部品が堅調な動き デジタル家電と携帯がけん引

2006/03/20 16:04

週刊BCN 2006年03月20日vol.1130掲載

需要増加の要因多く08年まで成長続く

 東京市場は上昇一服。活発な売買を繰り返していた個人投資家も新興市場の株価急落で痛手を受けて、マーケットは盛り上がりを欠いた。

 そうしたなかで、株価堅調が目立つのが半導体・電子部品セクターなどのハイテク株。事業環境は良好。1月の液晶テレビ出荷台数は前年同月比で38%増、プラズマテレビは同2.1倍を記録した。6月のサッカーワールドカップも薄型テレビの需要をけん引すると見られる。また、携帯電話は新興経済国での加入者の急増、国内では4月からのワンセグ開始など、新サービスに対応した高付加価値製品が伸びる見通しで、電子部品セクターはこうした動きが業績をけん引する。

 さらに、今年春以降に発売予定のソニーの「プレイステーション3」や任天堂の「レボリューション」など次世代ゲーム機の普及も電子部品需要を引っ張る。ハードの販売は08年ごろがピークになると見られ、当面は右肩上がりの収益環境が見込まれる。電子部品セクターで07年3月期に過去最高益更新が予想される企業としてはHDD用モーターの日本電産、半導体パッケージの新光電工、イビデンなど。大手では、TDK、アルプス電気、ロームなど。ゲーム機向けでは過去の実績が豊富なミツミが恩恵を受ける。

 一方、ソフトバンクが話題を提供。携帯電話第3位のボーダフォン日本法人を買収することが明らかになった。買収額は2兆円近くと日本企業による買収では過去最大規模。これによりソフトバンクは固定電話から携帯電話まで手がける総合通信会社になる。

 この買収報道を好感して株価は急騰したが、その後は一転して急落。米国の格付会社が買収による財務体質の悪化を懸念して「格下げの方向で検討」と公表したことを嫌気した。(有賀勝久)
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