未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業
<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>64.プログレッシブ・システムズ
2006/02/13 20:43
週刊BCN 2006年02月13日vol.1125掲載
公共から民間へ横展開
プログレッシブ・システムズ(佐野充社長)は、2003年設立のソフト開発ベンチャー。設立当初は、「e-Japan」戦略のもと電子化が進む都道府県庁や自治体に顧客ターゲットを絞り、電子文書管理システム「ドキュメント リレーション インターフェイス」を販売してきたが、今ではこの電子文書管理システムを一般企業向けにカスタマイズして、一般企業市場に進出している。また、電子文書管理システムを拡販している時、群馬県の要望で作ったIPカメラによる防犯用監視システムが金融機関を中心に一般企業から引き合いが急増したことを受けて、一般企業向けにも販売を開始している。
自治体市場で実績を積んだ製品を、一般企業向けに横展開することで順調に業績を伸ばしている。
そのなかでも、現在最も引き合いが強いのが、防犯用監視システム。昨年4月に販売開始したにもかかわらず、すでに全売上高の約30%を占める同社の中核事業に成長した。都市銀行を中心とした金融機関から、ATM(現金自動預支払機)の防犯用に同システムを導入する機運が高まっているという。現在の顧客のうち、「99%は金融機関からの引き合い」(佐野社長)だ。
IPネットワークを使った一般的な監視システムでは、映像データが重いことから、ネットワークに負担をかけてしまうデメリットがある。だが、同社のカメラではカメラ内にMPEG4フォーマットにデータを変換するチップを内蔵しているため、送受信するデータは「他のシステムに比べて10分の1」に圧縮できるのが評価を得ている理由。撮影した画像を集中的に管理し、保存する一連のソフトウェアを自社開発して、システムを完成させている。
今年度(06年3月期)の売上高見込み8-10億円のうち、自治体向けの電子文書管理システムの売り上げ比率は約20%。そのほかは、監視システムが約20%、一般企業向け電子文書管理システムが20%、監視システムに付随するストレージ事業が20%となっている。
来年度はすべてのセグメントで売り上げが伸びるとみており、売上高約25億円を目指す計画だ。
来年度以降、自治体向けビジネスでは、日本だけでなく中国、韓国、米国市場に進出する方針も示している。(木村剛士)
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