IT Stock Frontline
日経平均が連日の高値更新
2006/01/23 16:04
週刊BCN 2006年01月23日vol.1122掲載
業績改善期待背景にハイテク株好調
デジタル家電拡大も追い風に
順調にスタートを切った2006年の株式市場。日経平均は連日の高値更新になっている。人気の中心はハイテク株。日立製作所、東芝、富士通の大型電機のほか、アドバンテストなど半導体関連株、京セラ、村田製作所といった電子部品セクターまで含めて高値更新が続出している。昨年株価が大きく上昇した銀行、鉄鋼、不動産などの内需セクターに対する出遅れ感に加え、業績改善期待がハイテク株上昇の背景。特に、デジタル家電市場の拡大を受けて民生用エレクトロニクスメーカー、そしてこの分野に半導体、電子部品を供給している企業に対する期待が強い。昨年末には日立、東芝、半導体専業ルネサス・テクノロジーの3社が最先端システムLSIの生産で協業するなど大きな動きも出ている。
ハイテク株と株価連動性の強い米国株市場が上昇しているのも追い風。米国株市場は金利上昇が最終局面を迎えたとの観測や好調な企業業績を好感して、ダウ平均、ハイテク株の比重が高いNASDAQ指数ともに01年6月以来4年半ぶりの高値水準に上昇している。
その米国では企業の10‐12月期決算の発表が1月後半から本格化する。内容次第では関連の銘柄が東京市場でも人気を集めそうだ。第3週(16‐20日)はアップル、インテル、ヤフー、IBMなどが発表。「iPod」関連でHDD(ハードディスク)、フラッシュメモリといった記憶媒体関連が注目される公算が大きい。第4週(23-27日)ではクアルコム、ノキアの携帯電話企業の決算発表に関心が集まる。06年はグローバルベースの携帯電話販売台数が前年度比10%程度伸び9億台を突破するとみられる。新興国での普及見通しなどポジティブなコメントが出るようなら、コネクター、システムLSI関連企業が人気化しそうだ。(有賀勝久)
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