未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業
<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>60.オプスウェア
2006/01/16 20:43
週刊BCN 2006年01月16日vol.1121掲載
システムの自動運用で経費削減
運用コスト削減とコンプライアンス(法令遵守)強化――。情報システムの構築・運用において重大な2つの課題を解決するソフトを開発・販売するのが米オプスウェアである。その同社が、日本市場で本格的に営業展開を開始する。米オプスウェアは、ウェブブラウザソフト「モザイク」の開発者であるマーク・アンドリーセン氏が設立したソフト開発企業。
ワールドワイドで250社の顧客を持ち、2004年度の売上高は43億円と創業以来一貫して右肩上がりの成長を続けている。
同社が着眼したのは、肥大化し、複雑化した情報システム。オープン化の進展により、企業の情報システムではサーバーとネットワーク機器が年々増え続け、運用コストも上昇し続けているのが現状だ。
こうした状況に対応して、同社のソフトは、複数のサーバーやネットワーク機器を独自の自動管理技術で運用し、効率的なオペレーション体制の構築を支援する。
富田直美ジャパンオフィス代表は、「情報システムの整理が当社のビジネス」と説明する。膨れ上がった情報システムが生み出す運用コスト。その削減を支援するのが同社のソフトの強みというわけだ。
自動管理技術が最大の特徴だが、管理可能なOSやプラットフォーム、ネットワーク機器が豊富なことも強みで、ネットワーク機器では20社以上、500以上の機器に対応する。
また、運用コストの削減だけでなく、コンプライアンスの強化という観点からも同社の強みは発揮できるという。
“日本版SOX法”が制定されることになれば、「情報システムの透明性が求められることになり、システムの効率化や再構築が必要になる可能性だってある。その際、当社の技術は必ず役に立つ」と富田代表は自信を示す。
日本市場では、NTTコミュニケーションズが同社の技術を活用したアウトソーシングサービスを始めるなど、すでに営業活動を開始していたが、今年4月に日本法人を設立する予定で、国内市場に本格的に進出する。すでに、ネットマークスやユニアデックスと業務提携し、パートナー網を着々と整備しつつある。
米国ではSOX法の施行で、コンプライアンス強化のためのIT投資が活発化しているが、日本ではこれからが本番となる。その需要を見越し、日本での販売網整備に本腰を入れて取り組む。(木村剛士)
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