「クォリティ」

大塚孝一社長

　「セキュリティ」や「ユビキタス」、“日本版SOX法”などIT産業全体において、06年のキーワードとなりそうな言葉はいくつか考えられる。

　だが、日本事務器の新年のキーワードは、05年に使った言葉「クォリティ（品質の向上）」をあえて再度掲げる。高品質なソフトウェア、サービスづくりがやはり一番大事であり、全力をあげて取り組むべき点だからだ。

　今年度の業績は、保守サービス事業の低迷などにより、昨年度とほぼ横ばいとなる見込みだ。ただ、05年は新たな自社開発パッケージやサービスを複数揃えられた。医療総合システムなどいくつかのパッケージソフトを開発し、IPソリューションとセキュリティサービスでは、サービスを体系立ててブランド化した。

　ERPパッケージ「コアプラス」の次世代モデル「キュービック」の開発も進めている。06年春のリリースに向けて、開発は最終段階に入っている。

　これまでに用意したソフトやサービスを、新しい年ではさらに高品質に仕上げなければならない。高いクォリティは絶対条件だ。そのため、ソフト開発においては、04年にCMMのレベル2を取得したが、現在はレベル3を取得するための準備を進めている。

　昨年は06年に飛躍的な成長を遂げるための“弾”を揃えていた準備期間。05年に用意した新製品・サービスを武器に、06年は一気に刈り取る。