未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業 

<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>52.グローバル・ネットワーク

2005/11/14 20:43

週刊BCN 2005年11月14日vol.1113掲載

汎用ソフトを活用、独自機能を追加

 グローバル・ネットワーク(山崎康弘代表取締役)は、メールなど汎用アプリケーションソフトを活用したソフト開発・販売に強みを持つ。

 代表的な製品がメールを使ったEDI(電子データ交換)システム構築ソフトの「Mail Connect(メールコネクト)」だ。ソフト開発の日本ソフトウェアエンジニアリング(坂本一行代表取締役)との共同企画で開発。2002年の発売以来、直販と販売代理店10社を通じて400社に納入した実績を持つ。

 「メールコネクト」の開発は、山崎代表取締役が「一般的なEDIシステムは使いにくい」という感想を持ったのが発端だった。現在のウェブ型EDIシステムでは、「データ交換が始まった1975-1985年に問題となった、発注企業各社の独自端末を受注企業がそれぞれ導入させられた“多端末現象”と一緒だ」と山崎代表取締役は考えるからだ。

 今のEDIシステムでは、発注企業の独自画面や仕様が乱立しており、それぞれのEDIシステムに合わせる必要が受注企業側にあるという。EDIは、紙の伝票をやり取りしていた従来の方式に比べ、情報伝達のスピードが大幅に速くなり、作業工数や人員の削減にもつながる。

 ただ、データ形式やネットワークの接続形態は業界ごとに違うため、他業界の企業との取り引きをEDI化するのは難しいのが現実だ。

 「メールコネクト」は、そのような問題を解決する。発注企業からメールでデータが送信されると、受注企業側ではメールの内容を業務アプリケーションに渡し、受発注データを実行するといった自動化が行える。メールをデータ交換のアプリケーションとして使うために、形式や接続形態を気にする必要もないわけだ。

 グローバル・ネットワークでは、「メールコネクト」以外にも、汎用的なアプリケーションソフトを活用したソフトを開発している。

 「エクセル」を活用し、基幹システムのCSVデータから各種帳票をエクセルデータで自動作成する「Excel Mailer」、PDF作成ソフトを活用し、社員の給与明細書をエクセルで作成し、その後PDF化して社員に自動送信する「給与明細PDF自動送信システム」など、汎用的なアプリケーションソフトを用いながら、利便性や生産性向上、業務効率を上げることのできるソフト開発に力を注いでいる。

 複雑化する情報システムのなかで、高度な知識を必要としないアプリケーションソフトの開発をコンセプトに、パッケージソフトのラインアップ強化を図っている。(木村剛士)
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