“ライブドア騒動”から垣間見える 2011年 ネットをTVが流れる日
<“ライブドア騒動”から垣間見える 2011年 ネットをTVが流れる日>27.(最終回) テレビの概念が変わる
2005/11/14 16:04
週刊BCN 2005年11月14日vol.1113掲載
地上デジタル放送のネット配信容認。フジテレビ、日本テレビ放送網が独自のネット配信事業を開始。広告モデルを採用したUSEN「GyaO(ギャオ)」の成長。ソフトバンクと民放キー局の提携。そして楽天がTBSへ経営統合を申し入れ。
盤石だった放送業界で変化は確実に起こっている。確かに、これからも変化を押しとどめようとする動きは随所に現れるだろう。それでも技術と人々の意識の変化は止められない。
「技術」側は、ブロードバンドのギガビット化を虎視眈々と狙っている。キラーアプリケーションは動画配信しかない。
人々の生活ぶりもネット配信を加速させる要因になる。今後、決められた放送時間にテレビの前に座って番組を見るというスタイルは崩れて行くだろう。
それを強く実感させるツールやサービスが相次いで登場してきた。例えば、ビデオiPod。米国では、すでに地上波局ABCのドラマ番組が「iTunes Music Store」でダウンロード購入できる。日本でも追随する局が現れるはずだ。
また、来年4月からは携帯電話向け地上デジタル放送「ワンセグ」の本放送が始まる。テレビと同じ地上波番組が携帯電話で見られるほか、天気予報やショッピング案内といったデータ放送も受信可能となる。
携帯電話はブロードバンドとともに日本のネット社会を形づくっているが、ワンセグが初期のiモードのように大化けすると、「テレビとネットの融合」というテーマも陳腐となり、誰も口にしなくなるかもしれない。
現在の勢いだと、地上波、BSともアナログ放送が完全に停止される2011年7月を待たずして、ネット上をテレビ番組が普通に流れる日がやってくるかもしれない。その予兆はある。
その時には、“テレビ”の概念が変わっていることは間違いないだろう。ただ、いま現在、どのように変わっていくかは誰にも予測がつかないのではないか。
連載にお付き合いいただき、ありがとうございました。(終わり)
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