IT Stock Frontline

話題企業の新規公開相次ぐ 05年上期は72社が上場

2005/10/31 16:04

週刊BCN 2005年10月31日vol.1111掲載

オールアバウト、公募価格の上昇率は最大

 10月以降のIPO(株式新規公開)では話題企業の上場が相次ぐ。まず10月25日には東京スター銀行が東証1部に上場する。破綻した東京相和銀行を外資系ファンドが支援して再生。昨年2月上場の新生銀行と同じパターンだ。時価総額は3000億円超が予想される大型上場となる。

 これを上回る大型上場は11月17日に東証1部に上場するSUMCO(旧三菱住友シリコン)。公募増資・株式売り出しによる資金調達額は1300億円強と東京スター銀行(800億円強)を上回り今年最大。半導体向けシリコンウエハーの製造を行い、世界シェアは信越半導体に続いて2位。納入先の半導体メーカーは大口径ウエハーに生産をシフトしており、SUMCOも直径300ミリウエハーの増産を迫られている。今回の手取り資金は増産投資にあてる予定。

 10月のIPOも好調。インターネットデータセンター(IDC)サービス事業を展開するさくらインターネットが10月12日、東証マザーズに新規上場した。

 データセンター内のスペースを通信回線とともにラック単位で顧客に提供するハウジングサービス、自社サーバーをラックに設置しネットに接続した状態で顧客に貸与する専用サーバーサービス、1台のサーバーを複数の顧客が共同利用するレンタルサーバーサービスという3種のサービスのほか、インターネット接続サービスを行う。

 なお、2005年度上期(4-9月期)は72社が新規上場。公募価格に対する初値の倍率は平均2.7倍と、相変わらず高い人気が続いた。公募価格に対する上昇率が最大だったのは9月13日にジャスダックに上場したオールアバウト。インターネットサイト「All About」を運営。健康、住宅など約335種類のテーマごとに“その道のプロ”がおすすめサイト情報のほか、コラム、メールマガジンなどによって情報を提供している。(有賀勝久)
  • 1