IT Stock Frontline
電子部品セクターが上昇 液晶テレビなどが追い風に
2005/10/24 16:04
週刊BCN 2005年10月24日vol.1110掲載
外国株の行方も注目
バブル期を上回る活況が続く東京市場。日経平均は1万3000円台後半と4年半ぶりの高値水準に上昇してきたが、さすがにスピードの出し過ぎに対する警戒感から上昇ピッチは鈍っている。また、米国株式市場の変調も気になるところ。インフレ懸念の高まりによる利上げ継続観測などを背景に、米国市場ではダウ平均は3か月ぶりの安値水準に下落している。季節的にも10月はファンドが年末の決算を控えて売りを出すことから下落するケースが多い。古くは1929年大恐慌、87年のブラックマンデーといずれも株価大暴落は10月に起きていることを気にするムードもあるようだ。これまでの日本株の上昇を支えてきた外国人買いも米国市場が波乱となれば細る可能性が大きく、米国株の行方が注目される。もっとも、明確な環境の変化があったわけではなく、国内景気回復、デフレ脱却を背景にした上昇トレンドは継続との見方が多い。10月下旬からは企業の05年9月中間期の決算発表が本格化する。そこで好業績が確認された企業を中心に再び上昇ピッチが速まりそうだ。
そうしたなか、出遅れ感の強いセクターには活発が続いている。例えばサンケン電気、日本CMK、新光電工といった電子部品、半導体関連。8月に鉱工業統計でIT分野の生産・在庫調整が一巡、回復局面を迎えたとの認識が広まっている。サンケン電気は液晶テレビ用の蛍光管を得意とするが、テレビのインチが大きくなるほど蛍光管の使用本数は多くなることで繁忙状態。蛍光管増産のため新会社設立発表を受けて株価は急騰した。
また、米国の半導体大手マイクロン・テクノロジーは携帯音楽プレーヤー向けにフラッシュメモリが伸びたことで好決算を発表。これも電子部品メーカーの受注環境が好転していることを裏付けている。(有賀勝久)
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