IT Stock Frontline

日経平均、1万3000円台に ハイテク株は苦戦

2005/10/10 16:04

週刊BCN 2005年10月10日vol.1108掲載

ソニーは中期経営方針発表

 バブル期を上回る取引高が続き活況に沸く東京市場。日経平均株価は4年ぶりとなる1万3000円台に乗せてきた。「日本経済はデフレを脱却して内需主導による拡大が続く」、「郵政民営化が国民の支持を得たことで構造改革はさらに進む」というのが株価上昇の背景。2001年5月の小泉政権発足後につけた高値1万4500円が目標になるとの声が出ている。

 もっとも、株価上昇が目立つのは銀行、鉄鋼、機械、不動産といった、いわゆる内需セクター。輸出のウエートが高いハイテク株の株価の動きは鈍く、むしろ悪材料で株価が下落する銘柄もある。

 例えばセイコーエプソン。06年3月期の業績が予想を下回ると発表した翌日の株価はストップ安(値幅制限一杯の下落)の500円安で3000円まで下落。今年1月の高値4680円からは30%超の下げになっている。会社側の発表によると、液晶ディスプレイなど電子部品の需要低迷が予想以上に厳しいほか、インクジェットプリンタは欧州での競争激化の影響を受けているという。特に電子部品の営業損益が100億円の赤字(前期は385億円の黒字)と急激に悪化する。06年3月期の経常利益は従来予想の810億円を下回り450億円(前期比47%減)になるという。

 そして全体の株価上昇に取り残される格好になっているソニー。時価総額ランキングでは上位5社以内が低位置だったが、9月22日時点では13位まで後退している。ヒット商品の不在でエレクトロニクス事業の赤字が続き、今年6月には首脳陣が交代(初の外国人トップとしてハワード・ストリンガー会長が就任)して再建を模索している。注目された05-07年度の中期経営方針は大規模なリストラ策が盛り込まれたものの、本業のエレクトロニクス事業再建の道筋が明確に示されてはいない。(有賀勝久)
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