大遊泳時代

<大遊泳時代>第87回 別荘とパソコン

2005/10/03 16:18

週刊BCN 2005年10月03日vol.1107掲載

松下電器産業 顧問 前川洋一郎

 久方振りに夏休みを信州の山中で過ごした。下界を離れるので、何かと情報検索が必要と考え、使いなれないノートパソコンを持っていった。しかし、パソコンの持参はよくない。個人情報保護でパソコンの取り扱いに注意を要する。肌身離さずということで、リュックに入れていくと重くて困る。かといって、宅配便も心配である。

 そして、コテージはモバイルの時代ということで、固定電話も外してしまった。ましてや、ブロードバンドなど来ていない。ではということで、「Air "H」を使ったが、不安定この上ない。しまった、せめて携帯モデムでつながるアダプタを持ってくればと思っても後の祭り。イライラしてリラックス気分にとても悪い。

 家族いわく、せっかくの夏休みなのにパソコンなど家に置いてくればよいと責めるが、仕事の虫がついてまわるのか、なければ何となくさびしいし、こんな時こそ、ゆっくりとネットサーフィンを楽しみ、ITリテラシィを独学向上させたいと思っているのに…。

 そこで仕方なく、パソコンを持って下界に下りて行き、喫茶店などでパソコンを使っていた。

 信州の町は、どの駅に降りても意外とパソコン教室の看板などが目立つし、コーヒー1杯でパソコンを長く使っていても文句も言われない良い環境であった。

 これからシルバー、第3の生活では日常生活、レクレーション、趣味を楽しむにはパソコンは不可欠。旅行用のサイズが欲しいし、リュックもパソコンやアダプター類が入りやすい形態を考えて欲しい。

 そして、ホテル、旅館はもとより、別荘、山小屋もICT環境が必要となってくる。

 ねぇ、ワトソン君、「老後もパソコンを持って歩くとは、日本人の働き虫の習い性がとれないのかな!」。「ビル・ゲイツ氏は、わざわざパソコンのつながらない山荘にこもるというのに──情けないですよ!」。
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