IT Stock Frontline

ネット企業のIPOが人気 オールアバウト、上昇率は7倍超

2005/10/03 16:04

週刊BCN 2005年10月03日vol.1107掲載

ターボリナックスも好調

 景気回復期待を背景に上昇が続く東京市場だが、IPO(株式新規公開)も人気を集め、特にIT関連企業の株価上昇が目立つ。

 インターネットサイト「オールアバウト」を運営するオールアバウトが9月13日、ジャスダック市場に上場。公募価格26万円に対して初値は202万円。7.7倍の上昇率は歴代4位にランクされ、初値での時価総額は1300億円という高い評価となった。

 「インターネット上の情報は玉石混淆。これからは『情報の信頼性、真に役立つ情報』が求められるようになる」として、2001年2月にサイトを開設。健康、住宅など約335種類のテーマごとに“その道のプロ”がおすすめサイト情報のほか、コラム、メールマガジンなどで情報を提供。アクセスは毎月1000万人以上、メールマガジン登録数は180万通を数える。インターネット視聴率調査会社のネットレイティングスが集計している月間アクセスランキングでは、「ニュース・情報」分野で新聞社系サイトを押さえてトップに立つことも珍しくない。

 上場後の記者会見で江幡哲也社長は、「提案型ショッピングなど新規事業も並行して展開し、まずは数年以内に売上高100億円(06年3月期の予想は33億円)を突破したい」と語っていた。

 9月15日に大証ヘラクレス市場に上場したターボリナックスも公募価格の4倍以上の初値を付ける人気。Linuxを利用したOSやソフトの開発、販売、コンサルティング、サポート、教育サービスを手掛ける。

 Linuxに周辺機器対応や安定性の確保、最適化などを加え、さまざまな機能を追加することで有償で販売。主要顧客はドコモ、日立製作所、富士通のほか幅広い業種にまたがっている。国内のLinux市場は年平均45%の伸びを示すとの試算もあり、「これを上回る伸びを示したい」(矢野広一社長)としている。(有賀勝久)
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