未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業
<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>45.テイルバック
2005/09/26 20:43
週刊BCN 2005年09月26日vol.1106掲載
仮想化技術ソフトでレンタルサーバー
1998年設立のITベンチャー、テイルバック(山田敏博代表取締役)は、中堅・中小企業(SMB)向けのレンタルサーバーサービスの販売を強化している。「絶対に止まることがないサーバーを、柔軟なサービスメニューで貸し出す」(山田代表取締役)ことがコンセプトだ。
サーバーの仮想化技術ソフトを自社開発し、レンタルサーバーシステムに生かした。システムを止めずに、別のハードウェアにデータを移動できるようにしたことで、ハードのメンテナンスなどによるシステム停止時間をつくらないことが強みだ。
契約単位は1か月ごとで、最小構成で初期コスト3万円、月額3万円の費用で利用することができる。「自社でシステム構築する場合に比べ、費用も手間も時間も大幅に削減することができる」と、山田代表取締役は自信を示す。
標準サービスにはメンテナンスとバックアップ、自動監視サービスを含んでいるため、ユーザーは何もしなくてもよいわけだ。
最小構成から始めても、ウェブサイトのアクセス数に合わせて1か月単位で拡張でき、「無駄なシステム投資が防げる」(山田代表取締役)こともメリット。「100万ページビューあるウェブサイトのサーバーでも、1週間で用意・運営開始することができる」(同)ほどの迅速なサービス提供体制も整えた。
「サイトを新たに開設しても、どのくらいのアクセス数になるか、顧客にも分からない場合がある。ウェブサイトがビジネスにとって重要な役割を占めており、絶対にシステムを止めずに安心して運営していきたいという要望も強い。テイルバックのレンタルサーバーサービスのニーズはきっとある」(同)。
ショッピングサイトや情報配信サイト運営企業など、ビジネスにとってウェブサイトが重要な役割を果たしている企業向けに、直販で売り込んでいく計画だ。初年度1億5000万円の売り上げを見込んでおり、仮想化技術ソフトをレンタルサーバーサービスに生かし、ビジネス拡大を図る。
システム構築、メール配信システムなどのASP(アプリケーションの期間貸し)サービス事業も手がけ、どの事業にもソフトを生かしてきた。そして今、新たなソフトの活用方法として目を向け始めたのがレンタルサーバーサービスというわけだ。(木村剛士)
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