大遊泳時代

<大遊泳時代>第83回 双子の携帯電話

2005/09/05 16:18

週刊BCN 2005年09月05日vol.1103掲載

松下電器産業 顧問 前川洋一郎

 単身赴任をしていると、朝、家を出てから、「煙草の火は消したか、ガスは、電気は…」と気になって心配で仕方ない。そのうえ、「あっ!!携帯を忘れてきた」では情けないやら。年をとると会社へ来てから、どこへ置いてきたのか思い出せない時があり、のたうちまわることがある。ましてや個人情報保護とやらで締め付けが厳しい。

 そこで解決策に、思いつきで恐縮だが「双子携帯」はどうだろうか。

 姿形は一緒、機能・性能も一緒。2台1セットで購入する。仮に1台を「金さん」、もう1台を「銀さん」と名付けておこう。もちろん、番号は同じである。金さんは我が家に、銀さんは我が身に。金さんは出張カバンに、銀さんは我が身に。金さんは職場に、銀さんは我が身にしておこう。

 ボタン1つで切り替え可能。金さんから銀さんをオフにもできるし、オンにもできる。仮に銀さんを拾った人がいても、金さんからのリモコンで覗くことはできないようにする。

 2台1セットで、しかも1人の人間しか購入できない。親子も夫婦も駄目である。何かの間違い、犯罪に結びついてはいけない。通信料金も2台1セットである。

 どうだろうか。高性能、高機能も良いが、素うどん型携帯をセットにしての双子販売はどうだろうか。

 米国では、1つの職務を2人でかけ持ちする「ジョブ・シェアリング」という働き方があるらしい。1つのキャリアを2人で築くわけである。

 携帯も1つの役割を2台に「ジョブ・シェアリング」できるのでは。日本流にいうなら「二人三脚」の効果を得られる。

 ねぇ、ワトソン君、「キャリアもメーカーも台数、金額とも上がるのではないかな」。「いやー、こうなりゃ、ますます仕事に遊びに熱中できますね」。
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