大遊泳時代
<大遊泳時代>第82回 クールビズと携帯/セキュリティカード
2005/08/29 16:18
週刊BCN 2005年08月29日vol.1102掲載
松下電器産業 顧問 前川洋一郎
その昔、省エネルックがダサイと感じたのは私だけではないようだ。今回のクールビズは「夏のエコスタイル」として、関西広域連携協議会(新宮康男会長)が6年前より公民一体で進めてきたものが発祥である。
それが今年、小池百合子環境大臣の命名で「クールビズ」とし、有名デザイナーの作品を愛知万博でお披露目となって広まり出したのである。
しかし、困ったこともある。①ネクタイ産業を抱える関西ではネクタイ悪玉論への不満がある。ある時、クールビズで出かけて、途中ネクタイに着替えたらタイピンを忘れて困ったことがある。ということは、アクセサリー産業も打撃を受けているのか。
②28℃というが、基準・運用の徹底が実にあいまいなことである。室内は満員状態で28℃か、空室状態で28℃か、電車内はどうか。自動車、タクシーの内はどうか。工場や病院はどうか。
③地域差も考えてもらわなくては。湿度の高い関西は良く分かるが、涼しい信州のあるスーパーでクールビズセールをやっていたのにはまいった。
④何よりも問題は、横並び農耕民族の企業社会である。トップの行動方針が全員に影響する。ややもすると制服主義できた企業は、お洒落もお客様大事の1つということを忘れてきた。
その挙句、お葬式の夏のダークスーツはどうにかして欲しいといわれても困る。そして、秋になったら全員ネクタイに戻るのではの声にも返す言葉もない。
そこで提案だが、28℃を徹底するには携帯電話に温度計を内蔵してはどうか。車内でも室内でももっと意識できるだろう。そして、セキュリティのICカードホルダーをタイピン兼用か、またはネクタイのデザインにしてはどうかな。
ねぇワトソン君、「ついでに体温計も携帯につけて、熱が出たら口につっこめば」。「いやー、まさに軽薄短小の出番ですね!!」。
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