未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業
<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>35.サムライワークス
2005/07/11 20:43
週刊BCN 2005年07月11日vol.1096掲載
デスクトップに情報発信
デスクトップ画面をプロモーションツールに──。昨年1月に設立したネットベンチャーのサムライワークス(新島実社長)が考え出したインターネットマーケティングの新コンセプトだ。
サムライワークスは、プロモーションやキャンペーン情報などをパソコンのデスクトップ画面に配信できるソフトを開発。これを活用したシステム「デスクトップツールシステム(DTS)」を提供している。新島社長は、「デスクトップを媒体として扱うことができるツール」と、DTSを表現する。
電子メールでの告知やバナー広告によるプロモーションが一般的なネットマーケティングのなかで、パソコンユーザーが起動後一番最初に目にするデスクトップ画面への情報発信は、「最も効果的だ」と、新島社長はDTSの優位性に自信を示している。「プッシュ型で情報をリアルタイムに発信できるのが大きな強み」(新島社長)だという。これまで大手を中心に10社以上の顧客を獲得している。
ASP(アプリケーションの期間貸し)形式でのサービスを提供しているため、顧客は新たにシステムを構築する必要がない。中小企業でも手軽に使えるほか、「大手企業が、ある商品のプロモーション期間だけ使いたいという要望にもローコストで対応できる」(新島社長)という。
情報を受信させるためには、個人のパソコンに専用アプリケーションをインストールする必要がある。この専用アプリケーションは、単なる壁紙ではなくスタートボタンやカーソルなども含めほぼすべてのデスクトップ画面を変更できる。加えて、時計やカレンダーなどもデスクトップ画面上に貼り付けることが可能。ユーザーの利便性は高く、壁紙よりもユーザーの趣味嗜好を反映できるツールになるわけだ。「目新しいアプリケーションなので、壁紙よりもダウンロードされやすい」(新島社長)という。
一方で、個人向けにもビジネス展開する。この市場でも着目したのはデスクトップ。デスクトップ画面を各ユーザーが容易に変更できるツール「ウィンドウブラインズ」を昨年8月から販売している。発売3日後には、ダウンロード販売サイト大手「ベクター」で販売本数1位を獲得するなど好調なスタートを切った。これまでにないコンセプトを打ち出したことで、低迷が続く一般消費者向けソフト市場で順調に販売を伸ばし、製品ラインアップを4つまで増やしている。
サムライワークスの新島社長は、DTSの販売を本格化させ、07年には売上高10億円を突破。そして株式上場を果たす計画を立てている。(木村剛士)
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