未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業
<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>34.ジェイ・ビー・ディー・ケー
2005/07/04 16:18
週刊BCN 2005年07月04日vol.1095掲載
オフショア開発合弁を日本で
ジェイ・ビー・ディー・ケー(JBDK、山野誠社長)は、日本ビジネスコンピューター(JBCC)の子会社で、中国人技術者を活用したソフト開発を手がける。JBCCが60%出資、中国のソフト開発会社の大連海輝科技開発(DMK)が40%出資して1998年に設立された。社員数29人のうち、システムエンジニア(SE)は24人。SEは日本人と中国人が半々。営業部門は持たない。受注する開発案件のすべてがJBCCからで、JBCCがソフト開発のコスト削減を図ることが設立の目的だった。
「オフショア開発を手がける中国企業との合弁会社を中国ではなく日本国内に設置するケースは当社が初めて」(岩田眞一常務取締役)という。「日本の顧客を相手にしているため、日本と中国との連携を取るには日本の方が効率が良い」(岩田常務取締役)という理由からだ。
「中国人との開発文化や商習慣の違いを埋めるのに、設立当初は苦労した」(岩田常務取締役)とし、売り上げが伸びても、利益が出ない時期がしばらく続いた。だが、03年度(04年3月期)に黒字を達成。親会社のJBCCから見れば、「日本の協力ソフト会社を使う場合に比べ、約20%開発費を削ることができた」(JBCCの市川国昭・執行役員ソリューション・マーケティング担当CIO)と狙い通り。「プログラム開発などの下流工程だけでなく、上流工程の設計も任せられる」(市川執行役員)レベルまで品質が向上したことが強みになった。
この強みを生かし、今後はJBCC以外からの受注にも岩田常務取締役は意欲を示している。「これまでは多様なニーズに対応できるレベルまで品質が達していなかったが、現状ではJBCC以外からの仕事でも受けられる水準になった。上流工程ではなく、トラブルが少ないプログラム開発などを中心に、JBCC以外からの仕事を増やしていきたい」と話しており、今年度は売上目標4億2000万円のうち15%をJBCC以外から受注する計画だ。
また、新たなビジネスモデルとして、マネジメントサービスでも中国人技術者を活用しようとしている。開発だけでなく、運用・メンテナンスにも起用していく考えだ。
「ソフト開発だけでなく、運用・保守に対する低価格化要求も強い。中国人技術者を使うことで、従来よりも安価な運用サービスを提供できる」(市川執行役員)として、コスト競争力を高めることで事業拡大を狙っている。(木村剛士)
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