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激化する薄型テレビ市場 リアプロ型テレビの販売本格化
2005/07/04 16:04
週刊BCN 2005年07月04日vol.1095掲載
関連メーカーの設備投資増える
液晶テレビの5月の出荷台数がブラウン管テレビを上回るなど、デジタル家電の売り上げ拡大が関心を集めるなか、薄型テレビを巡る各陣営の競争が一段と激しくなりそうだ。先行する液晶、プラズマに続いて「第3の薄型テレビ」と呼ばれるリアプロジェクション(背面投射)型テレビの国内販売が本格化する。セイコーエプソンが6月初めに発売した新機種の価格は47型で29万8000円。シャープの45型液晶テレビの実勢価格60万円の半分以下の水準。リアプロテレビはスクリーンの後ろから映像を投影。光源からの距離が2倍になれば面積は4倍になるという性質から、最大80インチまで投影が可能。ネックだった画質が向上し、セイコーエプソンやビクターなどは消費電力、価格面での優位性を武器に、大画面薄型テレビ市場で攻勢をかける。
松下電器産業、日立製作所、パイオニアのプラズマ陣営も強気。松下は2005年度の販売台数について200万台(前年度比2.8倍)を計画。北米向けの輸出も好調という。
もっとも、プラズマ3社合計の05年度販売計画が307万台(同2.4倍)なのに対して、液晶テレビはシャープ1社の05年度販売計画が400万台(同50%増)と、液晶の強さは今のところ揺るがない。
液晶用ガラス基板を生産する旭硝子は今年7月から高砂工場にラインを新設、06年から第8世代用のガラス基板を量産する(シャープに納入)など、液晶関連メーカーの設備増強の動きがあわただしくなっている。
一方、次世代の薄型テレビとして注目されるのが「SED」(表面電解ディスプレイ)。キヤノンは40-50インチ型のSEDテレビの発売時期をこれまでより早めて今年末にする方針。液晶、プラズマ、リアプロにSEDを加えた大激戦が展開されそうだ。(有賀勝久)
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