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音楽配信ビジネスは急拡大へ アップル「iPod」が起爆剤
2005/06/27 16:04
週刊BCN 2005年06月27日vol.1094掲載
ブロードバンドの普及で市場活性化
米アップルコンピュータが発売して大ヒットした携帯音楽プレーヤー「iPod」は日本での販売が100万台を突破。そのアップルが8月上旬に日本でインターネットによる音楽配信サービスを始める見通しとなった。日本では携帯電話への音楽配信が先行していたが、アップルの参入、国内企業の巻き返しが予想され、ネット音楽配信市場は急拡大に向かいそうだ。
アップルは2年前に米国で音楽配信「アイチューンズミュージックストア」をスタートさせ、現在では欧州など20か国近くでサービスを展開している。
日本での開始の遅れはレコード各社との価格設定などに手間取っていたため。国内の大手レコード会社の大半が楽曲を提供する見通しで、最大100万曲、1曲あたりの価格は150円前後(米国では99セント)になる模様。
パソコン向け音楽配信サイトの大手としてはヤフー、エキサイトなどがある。その1社であるオリコン(大証ヘラクレス上場)はこのほど、2006年3月期の経常利益が7億円(前期比5.3倍)になる見通しと発表して株価が急騰した。
音楽配信開始の初期投資負担一巡などで利益増となるが、音楽配信事業は月間ダウンロード数は3万5000-4万曲(1曲平均210円)と当初予想を下回っているという。
大手レコード会社との契約が未締結なほか、旧譜について権利帰属者の特定が困難な場合が多く、ダウンロード可能曲数が10万曲強と予想を下回っているのが要因としている。
なお、携帯音楽プレーヤーの国内市場規模は04年度の推定160万台が05年度には250万台超になる見通し。「iPod」を追って、東芝、松下電器産業、シャープ、そしてソニー「ネットワークウォークマン」などが相次いで登場してきている。(有賀勝久)
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