大遊泳時代

<大遊泳時代>第73回 テレホンセールスへの居留守電話

2005/06/20 16:18

週刊BCN 2005年06月20日vol.1093掲載

松下電器産業 役員 前川洋一郎

 風邪で1日休んで驚いたことがある。何と電話の多いことか。いわゆるテレホンマーケティングなるものが再び隆盛しているようだ。

 お宅の土地にマンションを建てませんか、屋根がおかしいようで修理しますよ、壁の塗り替えは10年毎にしないと家の寿命が…。

 そろそろお墓はいかがですか、ペイオフでお宅はどうなさいましたか。

 夜になると、子供さんの就職はどうなりましたか、結婚サービスですが。

 いいかげん、ほっといてくれと言いたいが、よくもまぁ、我が家の事情をつかんでいるものだ。

 丁寧なセールスはまだ許せるが、最近のギャル語、どこのなにかと思う柄の悪いニーチャン、断っても断ってもマニュアル・セールストークを棒読みのおばちゃんセールス。ムゲに切ろうとすると、突然、脅迫調に変わる。

 これでは固定電話は要らないという声も理解できる。留守宅はどうなんだろう。留守と思って電話に出なければというと、そういう家は留守とのことで、空巣マーケティングにはまるらしい。

 個人情報保護の徹底で電話番号の流出も減り、押売りも減るだろうが、それよりもまずは固定電話に自動応答のシステムを追加して欲しい。押売りセールスとわかったら、「ボタン」を押すだけ、「只今、手が離せません。お申し越しの件は、只今間に合っていますので」と自動アンサー。

 若い頃、営業で自らも似たようなことで頑張っていたことを棚に上げての苦言であることは、お許しいただきたい。

 ねぇ、ワトソン君、「電話がうるさいといって出ないと、空巣が来ても困るね」。「では、玄関に『只今、居留守中』と名札をぶら下げては──」。
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