“ライブドア騒動”から垣間見える 2011年 ネットをTVが流れる日
<“ライブドア騒動”から垣間見える 2011年 ネットをTVが流れる日>7.光基幹網変える新技術登場
2005/06/20 16:04
週刊BCN 2005年06月20日vol.1093掲載
G-PONサービスが商用化されると最大2.5Gbpsのアクセス回線(最大分岐数64)が家庭やオフィスの側まで延びてくる。2.5Gbpsと言えば、少し前なら基幹回線に使われる帯域だ。
当然のことながら、基幹回線は基幹回線で高速化が図られている。単に帯域を上げるだけでなく、抜本的に伝送効率を高める技術も実用化が間近である。
6月6日から5日間行われたネット関連技術の総合イベント「INTEROP TOKYO 2005」で、産学連携のWIDEプロジェクトが1つの面白いデモを行っていた。
展示会場の千葉・幕張メッセと愛・地球博の間で、非圧縮ハイビジョン映像をリアルタイム・双方向でインターネット伝送するもの。実際、映像はハイビジョンらしく高精細で、ネット上をリアルタイム・双方向で伝送されているとは思えなかった。
同プロジェクトでは「GMPLSやIPv6マルチキャストなど最新技術を使った次世代環境で実現している」と説明していた。
説明に登場してくる「GMPLS(Generalized MultiProtocol Label Switching)」は、基幹回線の伝送効率を高めるスイッチ技術として注目を集める。
その特徴は、光ファイバー上を流れる光信号(実データ)を電気信号に変換せず、そのままルーティングできること。変換が伴わないので遅延時間を大幅に減らせ、伝送効率が高まる。
さらに、ネットを構成する回線や通信機器の情報を自動で判別、最適な伝送経路を確立する自律機能を持つ。そのため「通信条件が厳しい映像伝送に適している」(WIDEプロジェクト)。
つい先日、東京-大阪間でGMPLSを用いた実証実験を行ったNTTコミュニケーションズもINTEROPにブースを構え、実験成果を披露していた。同社関係者は「年内にも商用回線に適用したい」と話しており、すでに実用レベルに達しているようだ。
光ファイバー通信の技術はどんどん進化している。その向かう先には、「究極の用途は映像配信」があるように思える。
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