“ライブドア騒動”から垣間見える 2011年 ネットをTVが流れる日
<“ライブドア騒動”から垣間見える 2011年 ネットをTVが流れる日>5.“光大国”に突き進む日本
2005/06/06 16:04
週刊BCN 2005年06月06日vol.1091掲載
広域イーサネットやIP-VPNなど企業向けデータ通信サービスのアクセス回線では、もはや光ファイバーが一般的と言うのである。「企業は少なくとも3年先を読んでネットワークを設計するので、今さらADSLを入れるところはほとんどない」。
企業だけではない。個人でもADSLから光ファイバー(FTTH)へのシフトは進む。3年先には、もはやFTTHが珍しくなくなっているかもしれない。
NTT東西では実際、FTTH(Bフレッツ)の純増契約数がADSL(フレッツ・ADSL)のそれを2-4月の3か月連続で上回る(4月はBフレッツが10万3600件、フレッツ・ADSLが9万9000件)。
NTT東西の2005年度見通しでは、Bフレッツの純増が前年度比2.1倍の180万件、フレッツ・ADSLが同50%減の60万件。FTTHシフトがはっきりしてきた。
国内全体で04年末、FTTH加入者数は約240万。その中で、NTTは中期経営戦略で「2010年時点、FTTH加入者数3000万」を掲げる。これも、あながち大げさな数字でもないだろう。
NTT東西の光ファイバー開放を巡ってもめていた通信業界内だが、総務省はNTT東西以外の通信キャリアが光ファイバーを自前で敷設(電柱から利用者宅までの引き込み回線)できるよう政策を見直し、この秋にも実施すると見られる(従来はNTT東西の設備を開放させる方針)。
この政策転換が何を意味するかと言えれば、「ソフトバンクBBなど体力のある通信キャリアがFTTHを提供しやすくなり、競争が本格化する」(パワードコム担当者)とのことだ。
ソフトバンクBBは、昨年10月からFTTHサービス「ヤフーBB光」を開始しているが、今のところ、それほど目立っていない。だが、自前で光ファイバーを敷設できるようになれば、一気に攻勢をかけてくるかもしれない。
ともあれ、日本が世界随一の“光大国”に向かって突き進んでいることは間違いない。これは通信(ひいては放送)の世界をどのように変えるのか。(坂口正憲(ジャーナリスト))
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