大遊泳時代

<大遊泳時代>第70回 あらためて必要なパソコン教室

2005/05/30 16:18

週刊BCN 2005年05月30日vol.1090掲載

松下電器産業 役員 前川洋一郎

 1990年代、ITブームの頃、雨後のたけのこのようにパソコン・PC教室が誕生した。

 その理由は、第1に公的補助金が出た。第2にITリテラシィのある人のリタイアが増えてきた。第3にIT育ちのOL出身の子育てが終わり、SOHO仕事を探していた。第4に街の英会話、お稽古教室が新規事業を探していた。第5に、どうも会社の研修ではうまくいかない、恥かしいという人が多かった──である。

 その後、第1はなくなり、第2、第3は知っていても教えることの難しさがわかり、第4は、もっともうかる資格学校、大学院にシフトした。第5は、そんなボヤボヤしてる者はリストラされてしまった。

 しかし、最近PC教室で大変うまくいき、繁盛しているところがあると聞き、訪ねてみた。大阪JR高槻駅前の「パソコン市民IT講座」である。

 小南社長いわく、何故か。

 第1に地元のケーブルテレビ会社が運営ということ。安心。クチコミがすごい。第2に上手な人は対象外、50代がピークで、女性の比率が70%。第3に入会金1050円、1時間あたり1050円と割安。第4にテキスト、ツールが1人ひとり違うカリキュラム。

 パソコンは1人1台で私もやってみたが、これなら本当に素人も手の遅い人も楽々。先生、生徒の2画面構成で、生徒は画面を見ながら、先生の声を繰り返し、早送り、巻き戻して真似ていくだけ。第5に少数精鋭の優しいインストラクター。

 私が感心したのは、折込チラシがわかりやすいこと。そして駅前立地であること。

 そして、家のパソコンのインストールやメンテナンスを専門の出前サービス業者と提携していることである。

 ねぇ、ワトソン君、「パソコンは教えてもらう時はよくわかっても、家に帰るとすっかり忘れていて困るね」。「だから、お客は減らないのですよー!!」。
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