大遊泳時代
<大遊泳時代>第69回 映画の世界にITは
2005/05/23 16:18
週刊BCN 2005年05月23日vol.1089掲載
松下電器産業 役員 前川洋一郎
久方振りに映画の試写会に招かれたが、やはり、現場現物というか、シアターの臨場感はすごい。ブエナビスタホームエンタテインメントの塚越隆行日本代表のお話では、映画はアニメを含んで2000億円市場で横這いだが、総合芸術でコンテンツの王様だけあって、やはり、シアター、パッケージ、CATV、機内、テーマパーク、キャラクターとマルチウィンドウズのビジネスモデルはしっかりまわっているとのこと。
今はVHSより安く画質がきれいなDVDが普及し(プレイヤーの家庭普及率50%超であり)、ビデオソフト市場も2003年はDVDとVHSが7対3であったのが、04年は9対1となったおかげで元気が出ている。
日本映像ソフト協会に聞くと、04年は、DVDのおかげで5年連続記録更新、レンタルDVDの伸びが大きい。
一方、映画の世界にはブロードバンド(BB)の動きが出てきた。BBはホームサーバー(HS)型や、コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)型、そして、CATV型があり、VOD(ビデオオンデマンド)市場がビジネスモデルに1つ加わることへの期待は大きい。
シネマコンプレックスの増加のニュースも明るいし、家庭のテレビのPDP、液晶大型化は願ってもないことだ。
ところで、試写会に行くと入口で手荷物検査があった。映画の内容によっては、テロ爆弾対策かと思ったが違う。なんと、「昨今の海賊版の氾濫を防止するため」とのこと。日本経団連、経済産業省、文化庁が中心となって、コンテンツサービス産業を戦略分野の1つとして育成の動きが盛んであり、04年には、議員立法で「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律」が制定されたが、やはり、コンテンツの世界は著作権が何より!!
ねぇ、ワトソン君、「通信の世界で孫さん、放送の世界にホリエモンが出てきたが、映画はどうかね」。「あなたがシネエモンになってはどうですか!」。
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