IT Stock Frontline

ぐるなび、初値は240万円 売買代金も全市場でトップに

2005/05/23 16:04

週刊BCN 2005年05月23日vol.1089掲載

飲食店検索サイトで圧倒的シェア

 米国株の下落や中国の反日運動などを嫌って株式市場全体が軟調に推移するなか、IPO(株式新規公開)銘柄が相変わらず人気を集めている。

 その代表が4月28日に新規上場したぐるなび(大証ヘラクレス)。公募価格90万円に対して初値は240万円。5月2日には360万円台まで上昇したが、売買代金(出来高に株価を乗じたもので活況度を占めす)は300億円超とトヨタ自動車(184億円)を抜いて全市場でのトップになる人気。同社は飲食店情報検索サイトを運営。パソコン、携帯電話、カーナビなどのメディアを通じて利用者に無料で情報を提供している。今年2月時点で加盟店は3万店強。登録ユーザー数は312万人とこの1年間で46%増加した。ユーザー数の増加がぐるなびの価値を高め、それが加盟店の増加、収益拡大につながる好循環になっている。

 ネット関連は広告出稿などの点でトップシェア企業の優位性が一段と高まるとの認識が株式市場に浸透しており、飲食店検索サイトで圧倒的なシェアを握る同社の存在が注目された。

 ぐるなびの時価総額は1610億円(4月28日・株価315万円)。他のネット関連株の時価総額を見ると、広告代理店のサイバーエージェント1390億円、オプト640億円、電子認証のベリサイン1880億円、携帯電話コンテンツのインデックス1940億円といったところで、ぐるなびは高い評価を得たことになる。

 ぐるなび人気を受けて、データ通信サービスを提供する日本通信、LED(発光ダイオード)表示機のアビックス、基幹業務システム開発のソフトシステムなど直近上場企業にも株価上昇するものが目立ったほか、携帯電話向けに総合音楽サイト事業を開始すると発表したエキサイトが急騰するなどネット事業で新展開を打ち出す企業が人気を集めた。(有賀勝久)
  • 1