フレッシュマンセミナー ITの常識
<フレッシュマンセミナー ITの常識>4.薄型テレビの価格下落
2005/04/25 16:04
週刊BCN 2005年04月25日vol.1086掲載
電機大手の2003年度(04年3月期)決算では、デジタル家電や電子部品の市場拡大により黒字の企業が多かった。04年度に入っても、8月のアテネオリンピックの影響で、AV(音響・映像)機器の中で、薄型テレビはDVDレコーダとともにデジタル家電市場を引っ張っていた。
特に28インチおよび32インチの液晶テレビは、値頃感のある価格帯に入り、売れ行きに拍車がかかった。そして、この好調さを冬商戦でも維持しようと、メーカー各社は製品や部品を増産していったのだが、予想に反して在庫増を抱えることとなり、05年に入り価格下落の傾向が出始めてきたのである。
一方、電子情報技術産業協会(JEITA)発表による05年2月のテレビ国内出荷は、液晶テレビが25万6000台で前年同月比96.7%増、プラズマテレビも2万台で同14.7%増と、ともに過去5か月連続で2けた増となっている。売れ筋サイズは、液晶テレビが10インチ以上で、特に30インチ以上は実に同167.7%増と爆発的に成長、プラズマテレビも38-43インチ型が同25.4%増と成長、薄型テレビの大型志向が強まると同時に、勢いそのものは衰えていないことをうかがわせる。
ここへきて伸び始めたリアプロジェクションテレビ、そしてブラウン管に近い技術で液晶より明るくプラズマディスプレイより低消費電力の平面ディスプレイ「SED」、さらに有機ELディスプレイを用いた薄型テレビ技術も注目される。市場拡大の牽引車登場に期待がかかるところだ。(真実井宣崇)
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