大遊泳時代
<大遊泳時代>第63回 ユビキタスホームオフィス
2005/04/04 16:18
週刊BCN 2005年04月04日vol.1083掲載
松下電器産業 役員 前川洋一郎
新大阪駅前で、ドキュメントソリューション事業をやっておられるCATの大西由紀社長がお見えになった。元来CAD技術が強みで、そこから色々とお客の相談をうけて、事業を伸ばしてこられたベンチャーである。「ソリューション」と聞くと、かっこよく聞こえるが、仕事の中身は地味かつ誠実そのものである。
どの会社も、書類整理に困り、書類のためにフロアを増床、引越しなど馬鹿な話もある。工事図面、契約書類、新聞切抜き──いざ事故だなんだといっても、黄色くなっていて見づらい。担当者が辞めて、どこに仕舞ったか場所もわからない。
そこで、スキャナで読み込んでファイリング。これも子供のお使い作業では駄目である。あとあと使いやすいように整理の知恵を入れるのがミソ。
文章入力も戦前の書類で「いてふ」を「いちょう」と打ち込むのだから、ITリテラシーだけではやっていけない。春は、確定申告や入学試験の入力打ち込みで大忙し。昨今は、個人情報保護で神経をすり減らすが、そこをちゃんとやるのが、またミソとのこと。
──どうして、こんなに仕事が集まってくるのですか?
「仕事とお客様はどこにでもいる」が、「人をいかにうまく集めて使う」か、「お客さんの要望と人材能力をどうベストマッチングさせる」か、これに成功すれば、どんどん仕事がくるとのこと。
CATは社員100人で、全国に数千のパートナーが西表の離島から身体障害者の方まで含めておられる。
──どうして、こんなに人が集まるのですか?
「社名が、CATだから猫の手でも借りたいということで、知り合いが知り合いを呼んで、人のネットワークが広がる」とのこと。
ねえ、ワトソン君「SOHOもいよいよ、本物になってきたね」。「いやー、SOHOは古いそうですよ。今はユビキタスホームオフィスのUHOですよ」。
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