IT Stock Frontline
衰えないIPOの人気 “孫ブランド”はいまだ健在?
2005/04/04 16:04
週刊BCN 2005年04月04日vol.1083掲載
公募価格上回る初値続く
IPO(株式新規公開)の人気が続くなかで、驚異的な株価上昇で話題になったのがガンホー・オンライン・エンターテイメント(3月9日に大証ヘラクレス)。公募価格120万円に対して初値は420万円、23日には1000万円まで上昇した。同社会長の孫泰蔵氏はソフトバンク・孫正義氏の実弟。筆頭株主はソフトバンクBBということが人気に火を付けたようだ。同社はパソコン向けにオンラインゲームを配信するのが業務。多人数が同時参加するロールプレイングゲームが中心で、看板ゲーム「ラグナロクオンライン」は同時接続者数10万人超を記録した。有料登録会員数は80万人と国内最大規模を誇る。もっとも、売上高は40億円台。株価をここまで押し上げる事業内容とは言い難い。いまだ健在な“孫ブランド”が目先資金を集めた結果のようだ。
ネクステック(3月16日に東証マザーズ)も初値は186万円と公募価格43万円を大きく上回った。PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)を活用したコンサルティング業務を行う。PLMとは、企画・設計からメンテナンス、廃棄まですべてのプロセスで製品情報を管理する手法。開発の効率化、コスト削減に取り組む製造業をターゲットに業績が伸びている。
大型上場として注目されたのがジュピターテレコム(3月23日にジャスダック)。この銘柄の初値動向が今後のIPO人気をも占うとされた。初値は公募価格と同じ8万円だったが、翌日には8万8000円台まで上昇。24日終値での時価総額は528億円とフジテレビ(716億円)と日本テレビ(424億円)の中間の水準。日本最大のケーブルテレビ局統括運営会社で関東、関西などのケーブルテレビ19局に出資。出資先は「J-COM」ブランド名でケーブルテレビサービスなどを提供している。(有賀勝久)
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